Flirtgirl

かもかてSSを書いてます。

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

幸せな夜

ヴァイル殺害verA後のレハト。継承の儀前の出来事。

ヴァイル憎悪verB+グレオニー愛情に心折れそうなのでヴァイル分を補充しようとしたのに、何故かヴァイルが死んでいる。何故に。幸せな話が書きたかったはずなのにー。
どこが幸せなのか分からないというタイトルの矛盾っぷり。

捏造やゲームからの台詞を引用しています。
SSは追記からどうぞ。


 ヴァイルが死んでから、城は慌ただしくなった。年明けが近かったのもあるだろう、彼の急逝はあまりにも突然な出来事であり、また新たな騒動の火種となった。ランテ家当主であったヴァイルが死んだことで、残された土地を手に入れようと貴族たちは策略を練っている。
 それに対処するのは、王となった私だ。二人の後継者が一人いなくなったことで、自然とその座を遺されたもう一人……私が継ぐことになった。王になる気が無かった私は早急に、リリアノから王としての心得や振る舞いを指導され、日々寝ることだけが幸せな時間だった。
 そんなある日の夜、私はふと、何かに誘われるようにして露台に出た。灯りがないせいで湖は良く見えず、空に光る星が綺麗だった。長くなった髪を風がなぶらせながら、夜風に当たっていると、不意にヴァイルのことを思い出した。
 ――俺がレハトを好きなようには、レハトは俺のこと、好きじゃないもんな。
 死に際に、悲しげにそう言ったヴァイルの声が思い返されて心が苦しくなる。……そう、私のせいでヴァイルが死んだ。ヴァイルと同じくらい彼を想えていたなら、きっとヴァイルは死ななかったはずなのに……。
 ヴァイルのことは愛していた。今でも言える、愛していると。その想いはヴァイルがいなくなってから大きくなっていった。皮肉なものだ、いなくなってからヴァイルをどれほど愛していたかを知るなんて。ヴァイルも何で私を庇ったんだろう。私がヴァイルが想うよりも愛していないことを知っていたなら、見捨てることも出来たのに。……死んでもいいくらいに、私を愛していたから? 分かんない、分からないよヴァイル。
 知らない内に涙が零れ、夜風に吹かれて冷たく感じる。嗚咽を漏らしてうずくまり泣いていると、ぽんぽんと頭を撫でられる感覚がした。誰がそうしているのか分からない、でも、泣いている顔を見られたくないから、そのまま顔を伏せっていた。


「レハト、泣くなよー……」
 懐かしい声に思わず顔を上げると、困ったような表情のヴァイルがいた。ヴァイルは私の隣に座ると、またぽんぽんと頭を撫でてくれた。
「俺、レハトが死んで欲しくないから庇ったのに……泣かれると悲しいんだけど」
 そう言われるとなお一層悲しくなる。どうして私の未来にヴァイルはいないのだ、私だってヴァイルに死んで欲しくなかった。その想いを告げるとヴァイルは手を止め、溜息を一つ吐いた。
「……ありがとう。俺、レハトがそう思ってくれること、すっごい嬉しい。でも、自分を責めるのはやめて欲しい。……見てて、辛い」
 ヴァイルはそう言うと未だ泣きじゃくっている私の体を抱きしめた。あるはずもない温もりを感じて、思わずヴァイルが生きていたのだと錯覚してしまいそうになる。これは夢なのだろうか、夢ならどうか覚めないで欲しい。いつまでも幸せな夢を見ていたい。
 そう思っていたのに、ヴァイルは私から離れると、少し泣きそうな顔をして言った。
「……レハト、もうお別れしなきゃダメみたい」
どうして、そんなことを言うのか理解できなかった。ヴァイルを見上げて、どうして、と問うとヴァイルは「お迎えが来てる」とそう言った。私はヴァイルを留めようと彼の体に手を伸ばすも、虚しく空を切って冷たい床に手を着く。
 そこでようやく、ヴァイルは笑った。そして、あの日のように私に手を差し伸べた。
「……じゃあ、約束。忘れないで。俺がいたこと、俺と過ごしたこと……皆が忘れても、レハトだけは、全部忘れないで」
 勿論だ、と私も手を伸ばす。一度空を切った手は、柔らかな感触をつかみ、そして誓いの言葉が夜空に消えていく。言葉を言い終えると、ヴァイルはあの日のような笑顔で「じゃーな」と言い、何度も振り返りながら湖の方へと歩いて行った。その姿が消えていくまでヴァイルを見続けた。


 気が付けば、朝になっていた。どうやら、あのまま眠ってしまっていたらしい。暖かな日光に湖面が輝いていた。暫く寝起き気分が抜けず、ぼーっと湖を眺めていると急に露台の扉が開き、そちらへと顔を向けた。
「レハト様! 何故このような場所に!」
 慌てた様子の侍従はそう言うと急いで私を城内入れると、玉座の間へと連れられた。玉座の間には呆れた顔をしたリリアノがおり、そこで私は説教を食らった。どうやら、無断外出したため私が誘拐か殺害されたのではないか、と思われていたらしい。
 説教が終わり、自室に戻るために廊下を歩いていると、不意に肩を叩かれる。振り向くもそこには誰もいない。「どうかしましたか?」と側にいた侍従が聞いてくる。私は、少し笑いながら「何でもない」と返すと、再び踏み出した。


 ――後の記録にはこう綴られている。

 六代国王レハト。美しく礼儀正しく賢き王であったという。
 庶民教育の徹底と貧民への生活保護を行うなど庶民中心の政治を行った。
 生涯を通して結婚はせず、次の後継者を子供のように愛したという。
 七代国王が即位した直後、何者かによって毒殺され、神の国へと迎えられた。
 しかし、近くに毒薬の瓶があったことから魔に誘われたのではないかと囁かれている。


――――――――――――
最後の王評価は完全に私の趣味です。すみません。『美しく』は譲れない。
本当はレハトがニエッナという性を名乗っていたことも書きたかったけどさすがに無理だろうと思って断念。
神の国でリリアノ達に見守られながらいちゃいちゃしてたら良いよ。

スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

Menu

プロフィール

真織

Author:真織
サイト名の通り、色んなキャラに浮気しまくってます。基本SS(と呼んでいいか分からない文)書いて満足してます。矛盾・誤字などがありましたら報告して下さると嬉しいです。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

右サイドメニュー

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。