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Spiegel

[前提]タナッセ憎悪verA
[設定]男/王
[補足]名無しオリキャラ登場します。

ヴァイルが好きなのに時々不幸にさせたくなるのは何でだろうね!(
相変わらずのやまなし・おちなし・いみなし。


 王城内にある神殿は、いつもの静寂をたたえてはおらず、がやがやと貴族たちの囀りで満ちていた。普段神殿を訪れない貴族は物珍しそうに辺りを見回しており、隙あらばあらゆるものに触れようとする。それの行動を神官らは気に食わないと思いながら注意していた。普段なら容赦なく叱り飛ばすが、今日ばかりは荒波を立てるわけにはいかなかった。
 何せ、今からここで行われるのは六代国王レハトの結婚式なのだから。
 貴族たちが座る席の中に、ヴァイルとタナッセの姿もあった。二人は隣に座り合っていたが、ヴァイルは今にも泣きそうな顔をしており、タナッセは不機嫌そのものだった。
 本当はこんな式なぞ出たくはなかった。けれど、国王の式に出ないということで、ランテ家にくだらない噂が流れては意味がない。そう考えたタナッセは、渋るヴァイルを引き連れて式に臨んだ。
 ちらり、とタナッセは隣で俯いているヴァイルの様子を窺う。心ここにあらず、といった様子で、何度も溜息を吐く。来るんじゃなかった、と思ったがもう遅い。
 暫くすると高らかにラッパの音が鳴り響く。騒然としていた場は静まり返ると共に、こつこつと足音が近づいてくる。王城へと通ずる扉から現れたのは、明色をふんだんに使った服を来たレハトだった。

「あれは……レハト様だわ。相変わらず凛々しいこと……」
「あんな馬の骨もしれない女と結婚なさるなんて、弱みでも握られているのかしら……」

 ひそひそと交わされる会話に「レハト」の名を聞いたヴァイルは、ゆっくりと顔を上げて、そして、壇上へ上がる彼を見つけた。小さく息を吸っては吐き、ぼんやりと彼の姿を見つめ続けるその姿を、仮にも伴侶であるタナッセが快く思うはずもなかった。
 やがて、彼の伴侶となる娘が神殿に足を踏み入れる。レハトの隣にやってきたのは、様々な色を使ったドレスを着た美しい娘だった。貴族たちが噂するには、公務に出かけた時に拾った身寄りのない娘なのだと言う。
 娘は幸せで満ち溢れた表情で、さも当然のようにレハトの隣へ並び、その腕を取る。
 その光景を見て、ヴァイルは悔しさと羨望とで唇を噛みしめた。

「レハト……」

 本当は自分があの立場になりたかった。色とりどりのドレスを着て、大勢の人に祝福されて、レハトの隣で笑っていたかった。だけど、それはもう出来ない。だって、自分はもう、結婚しているのだから。独身だったらまだ望みはあったのか。そんなことを考えても、今更どうにもならない。
 あの時、タナッセの手を取ったのは、紛れもない自分だったのだから。
 彼女の視界が滲み、ぽろぽろと生温い涙を零す。彼女は必死に涙を止めようと手袋で目元を覆う。嗚咽も酷くなっていくと、周りに迷惑はかけられないと思ったのか、彼女は一人式場を出て行った。

「…………」

 タナッセは泣いていた彼女を追うことはしなかった。追ったところで、慰めたところで、どうしようもないと分かっていたからだ。
 それに、タナッセには一つ気になることがあった。彼は、レハトの隣で幸せそうに微笑む女を見る。

(……やはり、似ている)

 レハトの伴侶となる女は、どことなくヴァイルに似ていた。雰囲気こそ違えども、微かに面影が見えるような気がする。ということは、レハトは未だにヴァイルを想っているのか? 
 そう考えたところで、タナッセは思考を止め自嘲する。

(そんなわけがない。だとしたら、あの時の告白は何だ?)

 全てを変えるきっかけを作ったのは紛れもないレハトだ。約束に縋る奴を裏切ろうとしたくせに、未だに「愛している」と?
 馬鹿馬鹿しい。
 ヴァイルがこの場を去った今、自分がここにいる理由はないだろう。忌々しい寵愛者も、人ごみも、全てが気持ち悪い。
 寵愛者の結婚に祝福する貴族たちを疎ましく思いながらタナッセはふと考える。
 もしも、あの時、この手でレハトを殺していたら、ヴァイルは苦しまずに済んだのではないか。
 そして、今ならまだ遅くはないのではないか。
 そんなタナッセの考えをいざ知らず、突如話しかけてきた彼にレハトは目を丸くする。いつの間にか式は終わっていたらしい。
 タナッセは罵声を浴びせたいのを我慢し、祝福の言葉をかけると、緊張の糸がほぐれたようにレハトは笑顔を見せた。

(まだだ、まだ……)

 護身用に持ち歩いている短剣が、ずしりと重さを増す。
 機を逃さないよう慎重に、言葉を選びながらレハトを談笑する。途中、レハトが別の貴族に声をかけられ、タナッセから視線を逸らしたその瞬間。短剣を――


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サイト名の通り、色んなキャラに浮気しまくってます。基本SS(と呼んでいいか分からない文)書いて満足してます。矛盾・誤字などがありましたら報告して下さると嬉しいです。

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