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Nec possum tecum vivere, nec sine te.

[前提]ヴァイル愛情verA
[設定]女/王配
[補足]流血表現・死ネタ・暗い

ヴァイルやリリアノ様にも魔術の才能があると聞いて、つい。
ありえないことだけど妄想が抑えきれなかったのです。






 ずっと、ひとりでいる運命なんだって諦めていた。母さんは死んじゃったし、父さんは海に行ってしまった。本当は父さんに付いて行きたかったけれど、父さんや周りはそれを許さなかった。だって、俺は次期王様にならなくちゃならない運命を持っていたから。泣いて縋っても、連れて行ってくれるわけがなかった。結局、父さんは叶えられることのない約束だけを遺して海へ行ってしまった。その後、色々あって伯母さんが世話してくれたり、王になるための教育を受けさせられた。でも、結局、俺はひとりのままだった。本心から俺を愛してくれるひとなんていなかった。皆、叶いっこない約束ばっかりして、それを信じる俺も馬鹿で。約束なんて意味がない。そう思っていた時だった。
 レハトが、二人目の徴持ちとしてこの城に来たのは。
 レハトは王都から遠く離れた村に住んでいて、レハトの母さんが死んだことが切欠でその徴を見出されたらしい。初めて城に来た時のレハトは、凄くおどおどとしていて、見ているだけで可哀想だなって思った。こんな知らない場所で、誰も頼ることなく生活しないといけないなんてって。でも、レハトは――

『はい、私は……王を目指します』

 伯母さんの、国王の問いに堂々と答えていた。その光景を見た時、思わず期待してしまった。レハトなら、俺の側に居てくれるかもしれないって。何度も、何度も期待して裏切られて、嫌な事しかなかったけど、でも、俺と同じ王の徴に縛られるレハトなら。――俺の側にいてくれるかもしれない。
 そうして積極的にレハトと関わっている内に、俺の中で一つの心境の変化が現れた。
 もっとレハトの側にいたい。ずっと、レハトの側にいたい。そう願うようになっていった。レハトは城に来てから勉学や礼法に励み、王になるための努力を、それこそ俺の何倍も頑張っていたように思う。その姿に触発されて俺も努力すると、周りの侍従たちが驚いていたのは未だに理解できない。レハトに触れて、レハトと話して、そうしている内にもっと好きになってた。レハトからも好かれてるだろうな、と思った時、俺は一つの賭けをすることにした。レハトは俺と約束をしてくれるかどうか、という賭けだ。レハトはきっと裏切らないと、そう思ったから。実際、二人で湖上に行った時、レハトは約束してくれた。

『私はずっと、ヴァイルといるよ。……ううん、ヴァイルの側にいたい』

 そう照れながら言われて、やっぱりレハトが好きだと思った。その後、告白されて、結婚して。結局、俺が王様になっちゃたんだけど、レハトは応援してくれて凄く嬉しかった。レハトは女を選んで、俺は男を選んだ。籠りが終わってから行われる儀式の時に、やっとレハトの姿を見た。綺麗だった。この世の美しいものを寄せ集めても敵わないくらいに美しかった。
 それからレハトは王配として、毎日俺の側にいてくれて、政務を手伝ってくれた。一人じゃ気付かなかったこともレハトが指摘してくれて、もっと良い国にしようと頑張った。
 暫くしてレハトは俺の子を身籠った。日々、少しずつ大きくなっていく腹を見て、楽しそうな、不安そうな、そんな表情を見せるレハトが愛おしかった。どんな子になるんだろう、俺とレハト、どっちに似ているんだろう……。職務の間にそう考えてしまうこともしばしば合った。微熱や頭痛や、確かな繋がりを感じさせてくれるものもあって、本当にレハトには俺しかいないのだと思った。レハトの体調とか、状態を考えるといつものように連れ回すのも憚られて、一緒にいられる時間は減ってしまったけれども、下手に連れ回してレハトが居なくなる方が嫌だった。それに、職務を終えて部屋に戻ると、レハトが「おかえりなさい」って言って迎えてくれるのが、嬉しかった。
 出産を間近に控えたある日の午後、急に頭に鋭い痛みが走り、そのまま気を失った。
 次に目が覚めた時、レハトはいなくなってしまった。そのことに泣くことは出来なかった。だって、まだ部屋に戻ればレハトがいるような気がするのに、いつものように笑って抱きしめてくれるはずなのに。
 でも、レハトはいなくなった実感すら湧かないまま、いつの間にか温度のない石の下にいれられてしまった。
 また、俺は置いていかれてしまった。レハトと交わした約束も、口付けも、全てが温度のないものへと変わっていく。父さんも、母さんもいない。伯母さんだって死んでしまったし、タナッセはどこに行ったかすらも分からない。ユリリエは嫁いで王城に来ることも少なくなった。城はおろか、国内にも親しい人間はほとんどいない。
 そんな時に魔術の本を読んだ。中には、死者を蘇らせることが出来る蘇生術が書かれていた。きっと、この世の人々が忌み嫌う術が書かれた、その本。本当なら中身を見ずに棄てるべきだったのだろう。でも、その時の俺にはとても魅力的なものだった。だって、もしも蘇生術が本物なら、またレハトと一緒にいられるのだ。
 そんな思いから、俺はこっそり魔術を学ぶことを決めた。当然、そんなことがバレたら、王と言えども俺は処刑されるだろう。もしかしたら後世には『愛するあまりに魔術に手を出した狂王』と遺されるかもしれない。そもそも俺の存在自体が消されてしまう可能性がある。それでもレハトに会えるなら何だって良かった。
 そして、ようやくその願いが叶おうとしている。
 こっそり墓から攫ってきたレハトの体は、聖布のお陰でまだ綺麗なままだった。どうやらレハトも魔術を嗜んでいたのだろう、レハトの体からは行き場を失った魔力が渦巻いていた。今まで養ってきた魔力と、レハトの魔力。これだけの強力な魔力を使えば、きっとレハトは蘇るだろう。そして、再び俺とレハトはしあわせになるんだ。
 勝手に起こしたことを、レハトは怒るだろうか。でも、怒っても最終的には笑って赦してくれると思うんだ。

「……レハト、愛してるよ」

 だって、ずっと一緒にいると、レハトと約束したのだから。



――――――――――――――
後書きというなの言い訳。
レハトは魔術を嗜んでません。魅力や信仰等の勉強によって魔力が蓄積されているだけです。魔力があったことにすら気づいていません。
レハトも魔術が使えるならヴァイルにも使えるだろうと思って、この話を書きました。

タイトルの意は『私はおまえとともに生きていけない、おまえなしに生きていけない』です。
またラテン語の名言から拝借しました。ネーミングセンス欲しい。

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サイト名の通り、色んなキャラに浮気しまくってます。基本SS(と呼んでいいか分からない文)書いて満足してます。矛盾・誤字などがありましたら報告して下さると嬉しいです。

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