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共に歩むために

ヴァイル愛情verB後の城に留まるレハトと王様ヴァイルの話。
成人して間もないのでヴァイルは病床に伏せったままで、レハトが政務をこなしているという話。
落ちと展開は兎鹿に食べられました。


 王に選ばれたのはヴァイルだった。しかし、今、政務を行っているのは私だ。私の方が早く分化が終わり、王の代理としてやらねばならない仕事をしていた。ヴァイルが苦しんでいるのは私のせいなのだから、ヴァイルに出来る限りの償いをしたかった。
 ヴァイルの分化が終わったことを聞いたのは、職務を終えて夕食を摂っていた時だった。子どもの時からヴァイルに仕えていた一人の侍従が、部屋を訪れてその事を教えてくれた。ヴァイルの分化が終わった。つまり、ヴァイルは大人になることが出来たのだ。その事を知った時、私は張りつめていた糸が切れたかのように涙が零れてしまった。良かった。心底そう思った。
 夕食を終えた後、すぐにヴァイルの元へ向かった。しかし、その日はヴァイルの姿を見ることは叶わなかった。何でもヴァイル自身が私に会いたくないから、と。そう言われては仕方ないと思ったが、せめて一目だけでも見たかった。
 ヴァイルの姿を見ることが出来たのは、それから一週間後だった。

「……レハト、来てくれたんだ」

 ベッドから上半身を起こし、ヴァイルは私にそう笑いかけた。ヴァイルの髪は最後に見た時よりも伸びていて、背丈も私よりも大きくなっていた。
 体調は無事か、と聞くとヴァイルは少し困ったように眉を顰めた。

「あー……うん。体の節々が痛いんだよ。成長痛だとは知ってるけどさぁ」

 ヴァイルは溜息を一つ吐くと、私の方をまじまじと見て、そして手を私の胸に当て、その感触を楽しむかのように揉んだ。私はビンタした。……良い音がした。

「レハト、何すんだよー」

 赤くなった頬を擦りながらヴァイルはそう言う。何するんだ、は私の台詞だ。
 何故、許可も取らず、いきなり胸を揉むんだ。全く理解できない。そもそも人が胸の大きさで悩んでいるのに、そこに触れてくるから堪ったものじゃない。
 親しき仲にも礼儀ありだと懇々と説教すると、ヴァイルは不服そうに「ごめん」と謝ってきた。……何故だろう、納得いかない。

「そうそう。俺が籠りの間、レハトがほとんど仕事してくれたんだよね。ありがと」

 その言葉に首を横に振り、そんな大層なことじゃないと言う。元々私がヴァイルを不安にさせたのがいけないのだ。もしも、不安にさせずに、あのまま幸せな子ども時代で終わっていたら、ヴァイルにも一番良かったのに。
 ごめんなさい、と謝るとヴァイルはぽかんとした顔をして不思議そうに首を傾げた。

「え、何でレハト謝ってんの? レハト、何か悪い事したの? ……あ、もしかして、あのこと? なら別に謝らなくても良いって。俺がすぐに医務室に行っておけば良かったんだしさ。それに……レハトが無事で良かったから」

 ヴァイルはそう言うと何か言いたげに私の顔を見つめる。私はそっと彼の手を取って、私の両手で包み込む。私の掌では彼の手を隠すことが出来なくて、少し悔しい。そして、私は告げた。
 ヴァイルと一緒にいたい。だから、私と結婚してほしい。
そう告げるとヴァイルは少し照れ臭そうに頬を赤らめ、視線を布団に彷徨わせながら口を開いた。

「よ、よろしくお願い、します……。……って、あれ、ちょっと待って、これ逆じゃ……」

 逆でも良いじゃない、と笑いかけるとヴァイルは不服そうに文句を零す。別に良いじゃないか、と思うがやはりヴァイルは不満なのだろう。ヴァイルは私の手を握ると、真剣な表情で私を見つめてくるから、鼓動が早くなってしまい、顔も何だか熱くなってくる。妙に恥ずかしいのに目を逸らせない。暫くそうして見つめ合っていると、急にヴァイルが笑い出した。展開に頭が追いつかず、ぽかんとしているとヴァイルが笑いながら「もー無理」と言い出した。

「やっぱ、緊張する。レハトとは一緒にいたいけど、それをちゃんと言える自信がない。……だから、俺が言えるまで、待っててくれる?」

 その問いに、当然のように頷く。ヴァイルがそうしたいのなら私はいつまでも待とう。ヴァイルの想いを伝えてくれるのを。
 ヴァイルは照れたように微笑むと、私の手を引っ張ってそっと唇を重ねあわせた。

「……約束」

 口付けを終えると、ヴァイルは悪戯が成功した子供のように笑った。

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サイト名の通り、色んなキャラに浮気しまくってます。基本SS(と呼んでいいか分からない文)書いて満足してます。矛盾・誤字などがありましたら報告して下さると嬉しいです。

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